Tシャツうさぎや日記

Tシャツくん選び

さて，「Tシャツの作り方」の続きですが，今日は，シルクスクリーン印刷機「Tシャツくん」をご紹介しましょう。（※けっして広告ではありません※）

Tシャツくんは，太陽精機株式会社の，Tシャツなどを印刷するための製版＆シルク印刷機です。
http://www.taiyoseiki.com/tsyatukun.html

２年前，「うさぎちゃんの絵をTシャツにプリントしてみたい」と，まんまるい瞳を輝かせて，
どうやったらできるのかな〜？
プリントってむずかしいのかな〜？
自分で作って，洗濯したら色がはげちゃったりしないのかな〜？
などと，うさぎと牛で頭を突き合わせて（頭突きです），ポーっと考えていたところ，
「Tシャツくんていうのがあるよ」
と，天から降って来る声で教えてくれたのは，とんすけさんでした。

とんすけさんといえば，Tシャツうさぎやにも絵を提供して頂いている日本画家なのですが，百年くらい生きているらしく，何でもよく知ってるんですよ。
「あすこの天ぷら屋がうまいよ‥」
なんてこと，ボソッと言ったりして‥‥，あんた，池波正太郎かい？！
と，思わず突っ込みを入れてしまいたくなる人です。

で，とんすけさん曰く，
友達がTシャツくんを持っているのだが，プリントゴッコみたいな感じで簡単にTシャツにプリントができる。洗濯しても全然大丈夫。
なのだそうです。
ほえ〜，そんなもんがあるんかい！と，口をぽっかり開けて感心していましたが，
「でも，日本画家のとんすけさんのお友達と言えば，きっとアーティスティックな人‥。
不器用な牛とうさぎでも，ほんまに大丈夫なんかいな〜」
と，自らの腕を全く信用していない牛とうさぎでした。

その他に，Tシャツにプリントできる印刷機としては，それこそプリントゴッコのRISOから，プリントゴッコ・アーツ（布用）がありました。　　http://www.riso.co.jp/pg/frm/tshirts2006.html
「どっちがいいんだろう？」
プリントゴッコは，セットで買うとTシャツくんのセットとそれほど値段の違いはありませんでした。
プリントゴッコを買っておけば，布用も紙用も両方使えるけれども，
葉書を作るためにうさぎちゃんは既にプリントゴッコを１台持っていました。
「う〜ん‥。どっちがいいんだろうねえ？」

そんな時に，今はイギリスに旅立ってしまったMさんが，
「東京ビッグサイトで『もの作りギャラリー』というのがあるから出品してみたら？」
とすすめてくれました。　もの作りビッグギャラリー　http://www.monozukuri-bg.com
Mさんは，アパレルの仕事をずっとしてきた，とても素敵な人。心強いアドバイスです。

さっそくパンフレットを見てみたところ，
なんと，出品料は，安い方のブースでも4万円〜！
「う〜ん，そんなお金は，とても無いねえ…」
そして，来年に出品できるかどうかを予習するために，「もの作りビッグ・ギャラリー」に偵察に行くことにしました。

ビッグサイトなんて来るのは，牛にとって何年か振り‥
ゆりかもめに乗るのは楽しいのですが，遠いし，建物が大き過ぎて，なんだか苦手な場所なんだよね‥
うさぎちゃんと二人で，おずおずと会場に入ってみたら，まあすごい人。
天井の高い巨大なホールがたくさんのブースに区切られて，その間を人がわんさと動き回ってるので，最初はどっちに行っていいやら，戸惑ってしまいます。

入口を入ってそのまま立ちずさんでいると，すぐ入口脇の所で，何やらプリントのデモンストレーションをやっている。
「あれ！？Tシャツくんじゃないか‥！！」
そこには，太陽精機のお姉さんが一人いて，TシャツくんでTシャツにプリントをしていました。
うさぎと牛は，目が釘付け。ちょっと離れて，じ〜っと見つめます。
お姉さんは，そんなことは全く気にも留めず，淡々と説明しプリントをします。
「原稿を用意して頂いて，本体にセットし，露光します。」
「露光が終了したら，刷毛に水をつけて，シルク版を水で撫でると，版の図柄が出てきます。自然乾燥かドライヤーで，版を乾かします。」
ドライヤー。ぶお〜
「Tシャツの上に版を置いて，インクを乗せます。」
「インクは，一色でも混ぜても使えます。インクを乗せて，ヘラで刷ったらできあがりです。」

うさぎと牛の目の前で，白黒のコピー原稿から，いとも簡単にカラフルなTシャツのプリントが出来てしまいました。
ほえ〜‥
感嘆してしまって，何を言ったらいいのか分かりません。
でも，今ここで会ったが百年目，わからないことを全部訊いておかなければっっ！！
う　「原稿はどんなのでもいいんですか？ただのコピー紙でいいんですかっ？？コンビニのコピーでもいいんですかあぁぁ？！」
姉 「はい，普通のコピー紙で，黒インクであればどんなのでもいいです。ただし，原稿の図の線1mm以上の太さがないと，細すぎて印刷できません。」
う 「さっき付けてたのは，ただの水ですか？普通の水道水でいいんですかっっ？？」
姉 「はい。普通の水です。」
う 「ほ‥，ほぉ…」
そんな言葉にならない声を発しながら，Tシャツくんええなあ！
うさぎ＆牛にもできそうやなあ！！との手応えを得た二人でした。

その後，もの作りギャラリーの会場内を，様々な手作りクラフトの作品を見，
作家達と話し，中にはTシャツを作ってる人もいて作り方を聞いたり，
たくさん歩き廻って，最後にTシャツくんが東急ハンズで売っていて時々実演もやるとの情報を得て，夕方になる前に帰路につきました。
「疲れたねえ。ビール飲みたいねえ」
そして，ちょっと遠かったのですが，時間が早かったので鶴見まで出て，沖縄タウンで沖縄そばを食べ（うまかったす），沖縄物産店で車麩とポーク缶を買って帰りました。

結局，プリントゴッコ・アーツを試してみる機会がなく，Tシャツくんを購入することに決めたのですが，その決め手となったのは，もちろんお姉さんの素晴らしい淡々とした実演のためですが，牛個人的には，「Tシャツくん」という，それ以外に使い途のなさそうな，あまりにもベタで一本気なネーミングに最終的には惹かれたせいもあります。
※大急ぎで付け加えておきますが，TシャツくんはTシャツ以外に使い途がないわけではなく，エプロンやバッグやクッションなど布製品には何でもOKなので，誤解がないようにお願いします。

こちらが，Tシャツくんでプリントした第１号Tシャツです（正確には，初めに何枚か印刷に失敗しているので，完成品として第１号ということですが）。



ん？なんか，インクが擦れてますね‥下手クソだって‥？！
う〜ん，確かに。お姉さんの数倍は下手クソですね。
これも味があっていい。‥でしょうか…？